ライカ

街の片隅にある古びた教会で孤児を預かる、心優しいシスター。天然ボケなのか、他人を疑うことを知らない性格と、とにかく大きな胸の持ち主である。九郎がこのアーカムシティにやってきたころからの知り合いで、また彼が真面目にミスカトニック大学に通っていた当時のことを知る数少ない人物のひとりでもある。ライカは、探偵となって以来開店休業状態の九郎の生活を気遣って、何度も彼に食事を施している。しかし、一向に生活を改善しようとしない九郎を説教して以来、彼が訪ねて来なくなったため、飢え死にしているのではないかと本気で心配してしまう。実はその間、九郎は九郎なりにライカに心配をかけまいと努力をしていたのだが、どうやらその努力は失敗に終わったようだ。面倒見のよい献身的な女性で、孤児たちにも九郎にも、まるで自分のことのように親身になれる。ライカの説くことは子供にもわかるくらい単純な理屈だが、それゆえに真理をつくものである。少し大げさで強引なところがあるが、押しつけがましいところはなく、むしろ母に見守られているような印象を与える。